愛読書

庄野潤三　　「星に願いを」

庄野潤三さんは私の好きな「ザボンの花」の作者です。小学生の頃、叔母に買ってもらいました。
その中に出てくる、麦畑の高い空の上でひばりが鳴いていて。。。
私は田舎に育ったのに麦の季節、高い空で「ピイ、ピイ」鳴いていた鳥がひばりだと知らずそれを読んではじめて知りました。それ以来、ひばりが鳴いているのをきくと「ザボンの花」を思い出していたのです。更に中学生の国語の教科書にもその部分が載っていたのです。その本はもう手元にはないのですがもう一度読んでみたいとずっと思っていました。
昨年の春、新聞の新刊紹介の欄でこの本を見つけました。はじめは図書館で借りてきたのですがどうしても手元において何度も読み返したかったので購入しました。おじいちゃんになった作者夫婦が毎日をどんな風に過ごしているのか日記に綴られています。読んでいてとても穏やかな優しい気持ちになる本です。

春に庭のクロッカスが咲いてうれしい。。。
ご近所の方にお土産をいただいておいしくいただいてます、ありがとう。。。
子供や孫達から届く手紙を読んで、いい手紙を書いてくれた、ありがとう。。。
庭に小鳥達が遊びに来てくれてうれしい。。。
作者がゴミ出しをしようと思っていたのに奥さんがしてくれてすまない、ありがとう。。。
等々。

色々なことに追われるように毎日を送っていた私は反省しました。
ありがとう、うれしい、おいしい、良かった、という気持ちをもっともっと感じて生きたいと思うのです。